2014年07月17日

久々の7月16日

ぼーっとしていたらコートジ経済がいろいろ動いていたので久しぶりに記事アップです。
アフリカとEUの経済連携協定について。アフリカ経済を揺さぶり揺り動かす動向だと思います。

【経済協定】カメルーン国会が暫定EPAの批准を承認
カメルーンが、EUとの間での暫定経済連携協定の発効に近づいている。ポールビヤ大統領とカメルーン国会が7月10日、同暫定協定を承認した。同協定は、今後15年間で、EU側の関税撤廃、カメルーン側はEUからの輸入品のうち80%について関税撤廃することが予定されるもので、10月1日までに発効されなければ、カメルーンの輸出業者は大きなリスクにさらされるものである。
もともとこの合意は2009年1月15日に政府によって署名されていながらも、中部アフリカ*−EU間の地域EPAの署名に関する交渉難航によって、その後の進捗が中座していた。もし、この合意が履行されなければカメルーンは一般特恵GSP国となるため、特恵対象が少なくなり、カメルーンの輸出業者(特にアルミニウム、バナナ、カカオ、コーヒー、木材)は、EU市場への無関税アクセスという特恵を失うことになるため、2014年10月1日の履行期間はカメルーンにとってダモクレスの剣のごとく迫っているものであった。
一方でこの合意に対して、獅子契約であるという批判もある。合意履行によって、現地企業が国内市場でのシェアを失う可能性があり、それによりカメルーンでは2020年には23億EUR、2030年には38億の税収源が見込まれるにも関わらず、そこへの補填がないためである。
また、このEPA発効により、ヨーロッパ企業との自由競争に晒されるカメルーン企業がどのように生き残ることができるのか、という懸念もある。
*中部アフリカ経済通貨共同体(Communauté Économique et Monétaire de l'Afrique Centrale:CEMAC)とコンゴ民主共和国、サオトメプリンシペ
7月11日、Jeune Afrique
http://economie.jeuneafrique.com/regions/afrique-subsaharienne/22576-cameroun-le-parlement-autorise-la-ratification-de-l-ape-interimaire.html

【経済協定】ECOWASがEUとのEPAを承認
西アフリカ経済共同体ECOWASがEUとの経済連携協定(EPA)を、アクラで開催されていた第45次西アフリカ共同体首脳レベル通常セッションの中で、7月10日に承認した。これによりECOWASはアフリカの中でEUと最初に協定を合意した地域となった。
この協定によって、今後20年間をかけてであるが、最終的にEU製品のうちの75%が西アフリカ市場に非関税でアクセスできるようになる。
自由化にあたってのEUからの相殺的支援も用意されている。発展のためのEPA(APE pour le développement:PAPED)プログラムが、EPAの履行と同時に実施される予定である。
ECOWAS諸国は、もともとの要求額95億に対して、最終的に65億EURが2015年から2020年の間に現在実施されている開発支援プログラムを通じて追加的にEUから支出されることで合意した。EUは、アフリカの企業がEUの対アフリカ輸出業者よりも優位な状況にあることを約束しており、関税の影響をセンシティブに受ける農産品については、関税の維持またはセーフガードの設定も可能であることを保証している。また、EUが自国の西アフリカ輸出向け農産品に対しては補助金をつけないことにも合意している。
西アフリカは、EUとアフリカ・カリブ諸国との間の貿易量合計のうち40%を締めている。ヨーロッパの輸出業者のこの地域での収入額は毎年3000万EURである。西アフリカ諸国からのEU市場への輸出額は4200万EURである。EU委員会はコミュニケの中で、「この合意はアフリカとのパートナーシップを促進させ、双方の輸出額をより上昇させるものとなるだろう」と述べている。
7月15日、Jeune Afrique
http://economie.jeuneafrique.com/regions/afrique-subsaharienne/22600-la-cedeao-donne-son-feu-vert-a-la-signature-de-l-ape-avec-l-union-europeenne.html

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コートジボワールも当然ながらこのEPA締結のうねりの中心にいます。ということで、コートジボワール視点でEPA締結をめぐる状況を少しご報告(情報は今年4月時点です):

EUとコートジボワールとの間では2008年に暫定EPAに署名がされていたが、コートジボワール国内においては未発効の状態であった。しかし実質合意とみなして特恵供与は継続してきた。

EU-ECOWAS間のAPEについて、「ECOWAS15カ国中、ナイジェリア、ガーナ、コートジボワール以外は「武器以外すべて」の原則が適用されるので、それら諸国はAPE発効についてそこまでの危機感・焦燥感はないだろう。また、すでにGSP対象国となったナイジェリアも、実際に課税される額が5700万EUR程度なので、APEに対する優先度は高くないだろう。」というのが、EU側のEPA交渉担当官(@CI)の話。

ナイジェリアについては、2009年時点でEUに対する輸出額の97%、320億EURは無関税の石油、残り3%に関して課せられる関税は570万EUR、ナイジェリアにとってはさもない金額。

一方でコートジボワールは、2009年時点でEUに対して30億EURを輸出しており、もしGSP対象国となった場合は1億2000万EURの課税となる。特に影響を受ける産品は、バナナと加工ツナ、次いでカカオ。バナナはEU輸入時に27%課税されるので4000万EUR、加工ツナは20%で同じく4000万EUR、が追加されることとなり、コートジボワール産品のEU市場における競争力がなくなる。しかし、「EUにとってコートジボワール産品は、例えばバナナは輸入全体の4%しか占めておらず、それが無くなったからといって市場にとって大きな供給の問題は起きない。また、カカオは、カカオ豆であれば無税だが、加工カカオは6.6%課税されるので、農産品の加工率・加工度を上げて国際市場(現状EU市場がメイン)に出したいコートジボワールにとっては、国内産業振興や海外投資振興にとっても大きな障壁となってしまう。」というのが上記EU側担当官の分析。

上記状況を避けるためのコートジボワールがとりうる方法として、2008年に署名した暫定EPAを国内で発効させることであるが、地域統合の足並みを揃えたいECOWASとしては、コートジボワール一国だけがそういった動きをするのは防ぎたく、例えばマリが、もしコートジボワールが左記を実行するのであれば、マリ国境でコートジボワール産品にのみ課税する、というような発言をしたりしていた。*UEMOAは関税同盟であるものの、現場では必ずしも共通関税が適用されているわけではない。

2014年2月に実質合意したEU-ECOWASのAPEは今年10月1日までに、署名だけではなく各国での発効が求められてる。

以上
posted by kanekoci at 08:00| Comment(0) | 産業ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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