2013年07月29日

週末特別号 7月28日 その3.

その3.ローン貸与状況と預金状況

 次にローン貸与状況を見てみると、総額ではセネガルが最も多く430.9百万USDであり、ガーナは322.1百万USDと続くが、コートジボワールは圧倒的に少なく、76.6百万USDである。ただし、コートジボワールはローン貸与人数で見てみると、1231.7USD/ローン貸与人数と一人当たりの貸付額が他の2国に比べて非常に大きい。ガーナは534.3USD/ローン貸与人数、セネガルは最も少なく101.9USD/ローン貸与人数となっている。しかし、セネガルはローン貸与人数の人口に対する割合が3か国の中においては最も大きく、3.3%となっている。ガーナは2.4%、コートジボワールは非常に少なく0.3%である。
 
 コートジボワールにおいてまた別の大手MFIにインタビューした際には、「我々の顧客はインフォーマルセクターの企業が多いが、インフォーマルセクターと言えど非常に大きな金額を動かしている企業も少なくはない。」という意見も聞かれた。上記のMFIインタビューで聞かれた意見「ローン供与はせずに自社の維持のみしているという機関も多い」という点も合わせて考えると、コートジボワールにおいては、MFIによる金融活動は非常に限られているが、活動を維持しているMFIは、ごく限られた非常に優良な企業のみを対象とする代わりに、ローン貸与額についてはある程度の大きな額を貸与しながら、自社の利益確保と経営維持をしている、という構図を描くことができる。他方セネガルについては、ローン貸与額は小さいながらも、比較的広い顧客を対象として貸与を行っていると言える。
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 続いて預金状況を見てみると、預金総額も人数もガーナが最も多くそれぞれ409.3百万USD、210万人であるが、預金者一人あたりの預金額はセネガルが最も多く263.5USDで、人口に占める預金者数の割合も最大で10.2%である。コートジボワールは預金者一人あたりの預金額はガーナの104.9USDによりも若干多く204.5USDであるが、預金者数の人口比はガーナの半分強である4.8%しかない。コートジボワールは上記のとおり約10年間の内戦によって市民の経済活動は停滞しているうえに、国内の貧困率も上昇している。他国に比べて預金できる経済的余力を持たない市民が多い可能性がうかがえる。
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週末特別号 7月28日 その2.

その2.国の規模とMFI行数

 マイクロファインナンス機関(MFI)は開発援助においては貧困削減のツールとして語られており、確かにそれも一つの事実であろうが、MFI自体も営利目的の一企業として捉えなおすと、MFIの現状がその国の現地企業のビジネス状況を表す一つの指標になりうるのではないか、と考え、当該3か国のMFI現状比較をしてみる。

 国全体の経済規模(GDP名目USD)でみると、ガーナが40710百万USD、コートジボワールがその半分強で24680百万USD、セネガルがさらにその半分強で14159百万USDである。一人当たりの規模でみても並びは変わらず、最大はガーナの1,605USD、コートジボワールが1,244USDで次点に着け、1,032USDのセネガルがそれに続く。ガーナはコートジボワールと国境を接し、国土地形も大きな違いはなく、同緯度で気候も変わらず、それゆえ取れる作物もかわりはないうえ、石油という天然資源を持つ国であるが、現在ではナイジェリアを除く西アフリカにおいては一歩先を進んでいる感が否めない。

 MFIの行数を比較してみると、ガーナが79行であるが、コートジボワールとセネガルがそれぞれ28行、35行という状況と比較すると、ガーナの行数は特段多いと言える。しかし、1行あたりがカバーする人口を見てみると、ガーナの316,000人/行に対してセネガルが363,000人/行と大差なく並ぶ。他方コートジボワールは714,000人/行と倍以上の数字となる。コートジボワールで、同国のMFI機関大手の一つへインタビューを実施した際に、「コートジボワールでは約10年続いた内戦の間に、市民の経済活動が停滞し、多くの小零細企業が事業停止の状況に追い込まれ、彼らを顧客とする多くのMFIも倒産し、現在では30行ほどに減ってしまった。また存続していたとしても、貸付リスクが高すぎるので、ローン供与はせずになんとか自社の維持のみしているという機関も多いと思う。」という声が聞かれた。
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週末特別号 7月28日 その1.

西アフリカ経済比較シリーズ ①マイクロファイナンス事情

最近仕事でセネガルとガーナに行くことがあったので、いろいろな項目について比較してみてます。
そのうちの一つ、マイクロファイナンスについて、それぞれの国でなかなか面白い特徴がでてきたのでご紹介したいと思います。


その1.西アフリカ経済概要
 西アフリカ仏語圏には、西アフリカ経済通貨同盟(Union Économique et Monétaire Ouest-africaine:UEMOA)のもとフランセーファー(FCFA)という共通通貨を持つ市場がある。UEMOAは、コートジボワール、セネガル、ブルキナファソ、マリ、ニジェール、トーゴ、ベナン、ギニアビサウの8カ国で形成されているが、この8カ国はそもそもフランス領西アフリカ(Afrique occidentale française:AOF)の構成地域であり、植民地時代からの歴史的つながりが深い国々でもある。AOFの首都は現セネガルのダカールにおかれており 、経済都市は現コートジボワールのアビジャンが担っていた。この両国セネガルとコートジボワールは、海岸を有して一定規模の港を持ち、西アフリカ内陸国へのゲートウェイとなりうるという地理的なアドバンテージも加味され、現在でもUEMOAの二大経済巨頭として西アフリカ経済をけん引している。
 
 西アフリカには、UEMOAと並んで、西アフリカ諸国経済共同体(Economic Community Of West African States:ECOWAS)という)西アフリカの域内経済統合推進を目的とした共同体も存在する。加盟国15カ国(UEMOA8カ国に加えナイジェリア、ガーナ、リベリア、シエラレオネ、カーボヴェルデ、ギニア、ガンビア)で組織されており、経済統合の基盤となる政治的安定の確保を目指すとして防衛・紛争解決機能や安全保障機能等も備えている。ECOWAS加盟諸国のうち、経済的に突出した存在感を示しているのがナイジェリアであることは言わずもがなであるが、近年ナイジェリアに次いで存在感を増しているのが、ガーナである。ガーナは、1957年の独立後、70年~80年代に政治経済的混乱を経て、現在では安定的な政治経済運営が進められている。IFCのDoing Business指標では全世界で64位、サブサハラアフリカでは5位につけるビジネス環境のよさと、2010年に石油の商業化がスタートしたことも受け、今後の発展が益々期待される国といえよう。

その2.へ続く


posted by kanekoci at 09:29| Comment(0) | 特別号 | 更新情報をチェックする

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